2003年7月30日水曜日

【自由党】 日本一新 11法案(市場経済確立基本法案)

[経済]
1.事業活動をもっと自由活発にする法案(市場経済確立基本法案) 

業界ごとに規制している「業法」は、結果的に既得権を守る仕組みです。この「業法」を原則廃止すれば、新しい会社、小さな会社でも、努力すれば報われる希望のある社会をつくれます。

自由公正で開かれた、民間の経済活動が確保されるよう、各種事業規制は原則撤廃し、罰則強化を含め、統一市場ルールの整備や、監視役の公正取引委員会の充実等、チェック機能を強化します。
また、内閣に「市場危機管理会議」を常設し、資本市場が正常な機能を失った時、内閣総理大臣の権限で市場危機管理を行う体制を確立します。


市場経済確立基本法案

自由党

 (目的)
第一条 この法律は、民間の経済活動が、自由に、公正な競争の下に行われ、かつ、何人にも開放されるべきであるとの理念にのっとり、民間の事業活動に係る規制の撤廃等、公正な競争を確保するための準則等の整備、市場の異常な事態への対処のための制度の整備等に関し講ずべき措置を定めることにより、民間の経済活動における自由な競争を促進するとともに、経済の活性化を図り、もって我が国経済の発展に寄与することを目的とする。

 (国の責務)
第二条 国は、この法律の施行後三年以内に、次条から第五条までに定める措置を講ずる責務を有する。

 (民間の事業活動に係る規制の撤廃等)
第三条 国は、次に掲げる基本原則にのっとり、民間の事業活動に係る国の規制を抜本的に見直し、その結果に基づいて当該規制を撤廃し又は緩和するものとする。

一 事業の開始及び廃止は、原則として自由に行うことができるものとし、事業の開始又は廃止に関する規制は、国民の生命又は身体に対する重大な危険の発生を他の方法によっては防止することが困難な場合等真にやむを得ない場合に限って設けることができるものとすること。

二 事業活動の遂行に関する規制は、国民の健康の保持、犯罪の防止、災害の防止その他国民生活の安全の確保、環境保全等の観点から必要かつ最少限度の範囲で行われるものに限定するものとすること。

 (公正な競争を確保するための準則等の整備)
第四条 国は、公正な競争を確保するため、市場における経済取引に係る準則及び必要な罰則等の整備をするものとする。この場合において、当該準則等には、原則として適用除外を設けないものとする。

2 国は、前項の準則等の厳正な執行を確保するため、公正取引委員会、証券取引等監視委員会等による監視体制を整備するとともに、公正取引委員会等と事業活動に係る規制を所管する行政機関との相互の連携の緊密化を図るものとする。

(市場の異常な事態への対処のための制度の整備)
第五条 国は、国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資の大幅な供給不足、金融市場又は資本市場における著しい価格変動による混乱、金融機関等の大規模かつ連鎖的な破たん綻等の金融危機その他の市場の異常な事態に備え、当該事態に対処するために必要な緊急措置に関する制度を整備するものとする。

2 国は、前項の事態への対処に関する重要事項を審議するため、内閣に、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第十一条の特命担当大臣等によって構成される常設の市場危機管理会議を置くものとし、内閣総理大臣をもって議長に充てるものとする。

 (地方公共団体の措置)
第六条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、条例による民間の事業活動に係る規制について、自由な競争の促進及び経済の活性化を図るため、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

 民間の経済活動が、自由に、公正な競争の下に行われ、かつ、何人にも開放されるべきであるとの理念にのっとり、民間の経済活動における自由な競争を促進するとともに、経済の活性化を図るため、民間の事業活動に係る規制の撤廃等、公正な競争を確保するための準則等の整備、市場の異常な事態への対処のための制度の整備等に関し講ずべき措置を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(特殊法人等整理基本法案)

[民営化]
2.特殊法人を3年以内に廃止・民営化する法案(特殊法人等整理基本法案) 

官僚の天下り先となり税金のムダづかいしている特殊法人、独立行政法人、認可法人を原則3年以内に、廃止または民営化して、政府事業を民間に開放して、経済を活性化します。これにより民間の経済活動も盛んになります。

肥大化した行政部門を縮減して民間の経済活動を活性化するために、特殊法人と認可法人は、原則として三年以内に廃止あるいは民営化といたします。小泉内閣は特殊法人改革と称して、独立行政法人への衣替えを進めていますが、それは実際には官僚天国をさらに拡大しているに過ぎません。私たちは、独立行政法人についても同様の原則に基づいて三年以内に整理いたします。原則全廃によって初めて、官僚の天下り先と政・官・業の癒着の温床をなくすことが可能になるのであります。

この特殊法人等の民営化と、市場経済基本法による規制の緩和・撤廃は相乗的に、民間の経済活動の場を大きく広げると同時に、個人であれ法人であれ、大変な創意工夫と活動意欲を生み出します。



特殊法人等及び独立行政法人の廃止又は民営化に関する法律案

自 由 党

   (目的)
第一条 この法律は、肥大化し、かつ、硬直化した行政機構を変革し、行政が時代の変化に対応してその役割を効率的に果たすことができるようにする必要があることにかんがみ、特殊法人等及び独立行政法人の廃止又は民営化等について定めることを目的とする。

 (特殊法人等及び独立行政法人の廃止又は民営化)
第二条 政府は、この法律の施行の日から起算して三年を経過する日までに特殊法人等(別表に掲げる法人をいう。以下同じ。)及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)を廃止し、又はこれらの民営化を実施するため、法制上の措置その他の必要な措置を講じなければならない。

 (補助金等の削減等)
第三条 政府は、前条の措置を講ずるまでの間においては、特殊法人等及び独立行政法人に対して交付される補助金等の削減を図るとともに、これらの法人の役職員数を削減するために必要な措置を講じなければならない。

 (特殊法人等及び独立行政法人の職員の再就職の支援)
第四条 政府は、前二条の措置を講ずるに当たっては、特殊法人等及び独立行政法人の職員の再就職を支援するため、必要な措置を講ずるものとする。

 附 則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (この法律の失効)
第二条 この法律は、この法律の施行の日から起算して三年を経過した日限り、その効力を失う。

 (特殊法人等改革基本法の廃止)
第三条 特殊法人等改革基本法(平成十三年法律第五十八号)は、廃止する。


別表 特殊法人等の表(第二条関係)

 一 特殊法人
名称

根拠法

奄美群島振興開発基金 奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)
宇宙開発事業団 宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)
運輸施設整備事業団 運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
沖縄振興開発金融公庫 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)
科学技術振興事業団 科学技術振興事業団法(平成八年法律第二十七号)
核燃料サイクル開発機構 核燃料サイクル開発機構法(昭和四十二年法律第七十三号)
環境事業団 環境事業団法(昭和四十年法律第九十五号)
関西国際空港株式会社 関西国際空港株式会社法(昭和五十九年法律第五十三号)
九州旅客鉄道株式会社 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)
金属鉱業事業団 金属鉱業事業団法(昭和三十八年法律第七十八号)
勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)
公営企業金融公庫 公営企業金融公庫法(昭和三十二年法律第八十三号)
公害健康被害補償予防協会 公害健康被害の補償等に関する法律(昭和四十八年法律第百十一号)
国際観光振興会 国際観光振興会法(昭和三十四年法律第三十九号)
国際協力銀行 国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)
国際協力事業団 国際協力事業団法(昭和四十九年法律第六十二号)
国際交流基金 国際交流基金法(昭和四十七年法律第四十八号)
国民生活金融公庫 国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)
国民生活センター 国民生活センター法(昭和四十五年法律第九十四号)
雇用・能力開発機構 雇用・能力開発機構法(平成十一年法律第二十号)
四国旅客鉄道株式会社 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律
社会福祉・医療事業団 社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)
社会保険診療報酬支払基金 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)
住宅金融公庫 住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)
首都高速道路公団 首都高速道路公団法(昭和三十四年法律第百三十三号)
商工組合中央金庫 商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)
新エネルギー・産業技術総合開発機構 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律(昭和五十五年法律第七十一号)
心身障害者福祉協会 心身障害者福祉協会法(昭和四十五年法律第四十四号)
新東京国際空港公団 新東京国際空港公団法(昭和四十年法律第百十五号)
石油公団 石油公団法(昭和四十二年法律第九十九号)
地域振興整備公団 地域振興整備公団法(昭和三十七年法律第九十五号)
地方競馬全国協会 競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)
中小企業金融公庫 中小企業金融公庫法(昭和二十八年法律第百三十八号)
中小企業総合事業団 中小企業総合事業団法(平成十一年法律第十九号)
帝都高速度交通営団 帝都高速度交通営団法(昭和十六年法律第五十一号)
電源開発株式会社 電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)
都市基盤整備公団 都市基盤整備公団法(平成十一年法律第七十六号)
西日本電信電話株式会社 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和五十九年法律第八十五号)
日本育英会 日本育英会法(昭和五十九年法律第六十四号)
日本学術振興会 日本学術振興会法(昭和四十二年法律第百二十三号)
日本貨物鉄道株式会社 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律
日本勤労者住宅協会 日本勤労者住宅協会法(昭和四十一年法律第百三十三号)
日本芸術文化振興会 日本芸術文化振興会法(昭和四十一年法律第八十八号)
日本原子力研究所 日本原子力研究所法(昭和三十一年法律第九十二号)
日本小型自動車振興会 小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)
日本自転車振興会 自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)
日本私立学校振興・共済事業団 日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)
日本政策投資銀行 日本政策投資銀行法(平成十一年法律第七十三号)
日本船舶振興会 モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)
日本体育・学校健康センター 日本体育・学校健康センター法(昭和六十年法律第九十二号)
日本たばこ産業株式会社 日本たばこ産業株式会社法(昭和五十九年法律第六十九号)
日本中央競馬会 日本中央競馬会法(昭和二十九年法律第二百五号)
日本鉄道建設公団 日本鉄道建設公団法(昭和三十九年法律第三号)
日本電信電話株式会社 日本電信電話株式会社等に関する法律
日本道路公団 日本道路公団法(昭和三十一年法律第六号)
日本貿易振興会 日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号)
日本放送協会 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)
日本労働研究機構 日本労働研究機構法(昭和三十三年法律第百三十二号)
年金資金運用基金 年金資金運用基金法(平成十二年法律第十九号)
農業者年金基金 農業者年金基金法(昭和四十五年法律第七十八号)
農畜産業振興事業団 農畜産業振興事業団法(平成八年法律第五十三号)
農林漁業金融公庫 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)
農林漁業団体職員共済組合 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律(平成十三年法律第百一号)第一条の規定による廃止前の農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)
阪神高速道路公団 阪神高速道路公団法(昭和三十七年法律第四十三号)
東日本電信電話株式会社 日本電信電話株式会社等に関する法律
放送大学学園 放送大学学園法(昭和五十六年法律第八十号)
北海道旅客鉄道株式会社 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律
北方領土問題対策協会 北方領土問題対策協会法(昭和四十四年法律第三十四号)
本州四国連絡橋公団 本州四国連絡橋公団法(昭和四十五年法律第八十一号)
水資源開発公団 水資源開発公団法(昭和三十六年法律第二百十八号)
緑資源公団 緑資源公団法(昭和三十一年法律第八十五号)
理化学研究所 理化学研究所法(昭和三十三年法律第八十号)
労働福祉事業団 労働福祉事業団法(昭和三十二年法律第百二十六号)

 二 認可法人
名称

根拠法

医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法(昭和五十四年法律第五十五号)
海上災害防止センター 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)
海洋科学技術センター 海洋科学技術センター法(昭和四十六年法律第六十三号)
海洋水産資源開発センター 海洋水産資源開発促進法(昭和四十六年法律第六十号)
銀行等保有株式取得機構 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)
空港周辺整備機構 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和四十二年法律第百十号)
警察共済組合 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)
公立学校共済組合 地方公務員等共済組合法
国家公務員共済組合 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
国家公務員共済組合連合会 国家公務員共済組合法
産業基盤整備基金 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法(昭和六十一年法律第七十七号)
市議会議員共済会 地方公務員等共済組合法
指定都市職員共済組合 地方公務員等共済組合法
自動車安全運転センター 自動車安全運転センター法(昭和五十年法律第五十七号)
自動車事故対策センター 自動車事故対策センター法(昭和四十八年法律第六十五号)
情報処理振興事業協会 情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)
生物系特定産業技術研究推進機構 生物系特定産業技術研究推進機構法(昭和六十一年法律第八十二号)
全国市町村職員共済組合連合会 地方公務員等共済組合法
全国中小企業団体中央会 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)
総合研究開発機構 総合研究開発機構法(昭和四十八年法律第五十一号)
地方公務員共済組合連合会 地方公務員等共済組合法
地方公務員災害補償基金 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)
地方職員共済組合 地方公務員等共済組合法
町村議会議員共済会 地方公務員等共済組合法
通関情報処理センター 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律(昭和五十二年法律第五十四号)
通信・放送機構 通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号)
都職員共済組合 地方公務員等共済組合法
都道府県議会議員共済会 地方公務員等共済組合法
日本下水道事業団 日本下水道事業団法(昭和四十七年法律第四十一号)
日本公認会計士協会 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)
日本障害者雇用促進協会 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)
日本赤十字社 日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号)
日本たばこ産業共済組合 厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成八年法律第八十二号)第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
日本鉄道共済組合 厚生年金保険法等の一部を改正する法律第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法
日本土地家屋調査士会連合会 土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)
日本万国博覧会記念協会 日本万国博覧会記念協会法(昭和四十六年法律第九十四号)
農水産業協同組合貯金保険機構 農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)
農林漁業信用基金 農林漁業信用基金法(昭和六十二年法律第七十九号)
平和祈念事業特別基金 平和祈念事業特別基金等に関する法律(昭和六十三年法律第六十六号)
野菜供給安定基金 野菜生産出荷安定法(昭和四十一年法律第百三号)
預金保険機構 預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)
   
 理 由

肥大化し、かつ、硬直化した行政機構を変革し、行政が時代の変化に対応してその役割を効率的に果たすことができるようにする必要があることにかんがみ、特殊法人等及び独立行政法人の廃止又は民営化等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(国民生活充実基本法案)

[社会保障]
3.社会保険料を絶対上げさせない法案(国民生活充実基本法案) 

社会保障制度に対する国民の不安感を解消するために、消費税は全額、基礎年金・高齢者医療・介護などの財源にします。社会保険料はいまの水準以下に抑えます。

性別、年齢等に関係なく、誰もが安心して、生きがいを持って経済・社会活動を行えるよう、基本的な国民生活の保障と充実を図ります。
社会保険料は現行水準以下に抑えるとともに、消費税は全額、基礎年金、高齢者医療、介護といった基礎的社会保障経費の財源に充てます。また所得控除に替えて、児童手当の増額や、親と同居している人たちへの手当を新設します。


国民生活充実基本法案

自 由 党

 (目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な少子化及び高齢化の進展が経済社会の変化と相まって、国民生活に広範な影響を及ぼしている状況にかんがみ、すべての国民が豊かな家庭生活を営みつつ生涯にわたって生きがいを持って働き、安心して生活することができるようにするため、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策の基本となる事項を定めることにより、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策を総合的に推進し、もって豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

 (基本理念)
第二条 基本的な国民生活の保障及び向上については、すべての国民が、社会を構成する重要な一員として、豊かな家庭生活を営みつつ、意欲と能力に応じ、生涯にわたって生きがいを持って働き、失業、加齢、疾病、障害等の場合にも、人間としての尊厳を重んじられ、安心して生活することができる社会を構築することを基本として施策が講じられなければならない。

 (国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、第二条の基本理念にのっとり、基本的な国民生活の保障及び向上に関し、国と協力しつつ、当該地域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (法制上の措置等)
第五条 政府は、この法律の目的を達成するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (完全雇用の実現)
第六条 国は、国民経済の健全な発展に関する諸施策と相まって、民間の事業活動に係る規制の撤廃、新たな事業の創出の促進、労働力の需給の不均衡の是正等の施策を総合的に講ずることにより、雇用機会の着実な増大を図り、完全雇用の実現を目指すものとする。

 (労働条件の改善)
第七条 国は、勤労者が充実した職業生活を営むとともに、家庭生活において家族の一員としての役割を円滑に果たし、多様な社会的活動に参加することができる豊かでゆとりのある生活を営むことができるようにするため、賃金、休暇その他の労働条件の改善の促進に必要な施策を講ずるものとする。

2 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、勤労者が豊かでゆとりのある生活を営むことを妨げるような雇用慣行の是正が図られるよう配慮しなければならない。

 (多様な就業形態における雇用の安定の確保等)
第八条 国は、勤労者が主体的に多様な就業形態を選択することができるようにするため、短時間勤労者その他の通常の勤労者以外の勤労者の雇用の安定を確保し、これらの者について、職務の内容、経験、能力等に応じ、かつ、通常の勤労者との均衡のとれた適正な待遇を確保する等必要な施策を講ずるものとする。

 (高齢者、障害者及び女性の就業の促進)
第九条 国は、高齢者、障害者及び女性が、年齢、障害の有無又は性別により差別されることなく、職業生活においてその能力を有効に発揮し、充実した職業生活を営むことができるようにするため、国、地方公共団体及び事業主が雇用する者に占める高齢者、障害者及び女性の割合について適正な水準を確保するための施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (求職者に対する支援)
第十条 国は、最近における経済社会の急速な変化に対応して、求職者の職業選択の機会の拡大を通じて、勤労者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするとともに、労働力の需給の不均衡を是正するため、求職者の求職活動に関する相談に応じ、個別に助言、指導その他の援助を行う事業を民間に委託して実施し、民間の主体が運営する職業訓練施設と連携した多様な能力開発の機会を提供する等民間の能力の活用によりきめ細かくかつ総合的に就職を支援する体制を整備するものとする。

2 国は、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)に基づく勤労者に対する給付について、勤労者の生活及び職業の安定のために十分な水準を確保するものとする。

 (年金制度の改革)
第十一条 国は、基礎年金の保険料が現行の水準を上回らないようにしつつ、高齢期の生活の安定に資する適正な給付水準を確保するために、基礎年金の給付に係る費用の財源の不足に消費税を充てることによって、将来にわたり安定的に運営することが可能な基礎年金に係る年金制度を確立するものとする。

2 国は、年金の支給開始年齢を六十五歳とすることを基本としつつ、その多様化の促進等によって、国民がその必要に応じた年金給付を受けることができる制度を整備するものとする。この場合において、高額の所得を有する高齢者については、年金給付を制限するものとする。

3 国は、年金制度について、少子化、就業形態の多様化、生活様式の変化等に対応したものとなるよう、長期的視点に立って見直しを行うものとする。

 (医療制度の改革)
第十二条 国は、診療記録の開示及び診療報酬明細書の交付の義務付け等、患者への情報提供のための制度の整備を行うことにより、患者の理解と選択に基づいた医療を確立し、及び個人情報の保護に留意しつつ、診療記録の電子化、診療報酬明細書の電子計算機による処理等、電子情報処理組織を使用する情報通信の利用等を推進することによって、効率的かつ質の高い医療を提供する体制の整備を図るものとする。

2 地方公共団体は、地域医療支援病院の整備、救急医療の確保、医療従事者の確保等により良質かつ適切な地域医療を確保するため、地域の実情を踏まえて医療計画の見直し等を行い、地域医療を支える基盤の整備を図るものとする。

3 国は、医療技術を適正に評価すること、患者の医療についての理解及び選択を重視すること等の観点から診療報酬及び薬価基準を体系的に見直すものとする。

4 国は、高齢者について独立の医療保険制度を創設することとし、その対象者は、七十歳以上の者とする。この場合において、高齢者に対する療養の給付等に係る費用の財源の不足には、消費税を充てるものとする。

5 国は、医療保険制度について、就業形態の多様化に対応したものとなるよう見直しを行うことにより、医療保険の運営の安定化を図るものとする。

6 国は、保険診療と保険外診療の併用を認める等医療保険制度に関する規制緩和を推進するものとする。

 (介護サービス等提供制度の改革)
第十三条 要介護者等が人間としての尊厳を保ちつつ自立した生活を送ることができるよう、国、地方公共団体、民間事業者、ボランティア等が、それぞれの役割に応じて、一体となって要介護者等を支援することによって、質の高い介護サービス等を効率的に提供する制度を確立するものとする。

2 国は、要介護者等に基本的な介護サービス等を提供するための指針を策定し、市町村がその介護サービス等を提供するための費用について必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。この場合において、その財源には、消費税を充てるものとする。

3 市町村は、基本的な介護サービス等を担う人材の確保及び基本的な介護サービス等を提供するための施設の計画的整備を図るとともに、地域の特性に応じた独自の介護サービス等を提供する体制を整備するものとする。

 (高齢者及び障害者に対する支援)
第十四条 国及び地方公共団体は、第九条に規定する施策のほか、高齢者及び障害者の社会参加を促進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国及び地方公共団体は、あらゆる公共的施設についてのバリアフリー化(これらの施設の構造及び設備を高齢者及び障害者の円滑な利用に適するように整備することをいう。)を促進するために必要な措置を講ずるものとする。

3 国及び地方公共団体は、生涯学習の推進、地域における老人クラブ活動その他の高齢者の社会的活動の推進等の施策により、高齢者が生きがいを持って豊かな生活を営むことができるよう支援するものとする。

4 国及び地方公共団体は、障害者に対する給付の充実、障害者に対する福祉サービスの多様化の促進等の施策によって、障害者が人間としての尊厳を保ちつつ安定した生活を送ることができるよう支援するものとする。

 (職業生活と家庭生活の両立支援)
第十五条 国は、勤労者が安心して子の養育又は家族の介護を行うための休業(以下「育児等のための休業」という。)をすることができるようにするため、勤労者が育児等のための休業をすることのできる期間の延長、育児等のための休業をしている勤労者の生活の安定を図るための手当の増額、育児等のための休業をしている勤労者の職業能力の開発及び向上の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 国は、勤労者が就業しつつ子の養育又は家族の介護を行うことを容易にするため、子の養育又は家族の介護を行う勤労者について、勤務時間の短縮の促進、当該勤労者に係る始業及び終業の時刻を当該勤労者の決定にゆだねることとする制度の導入の促進、事業主による託児施設の設置の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 国は、妊娠、出産若しくは育児又は介護を理由として退職した者(以下「育児等退職者」という。)の再雇用を促進するため、当該退職に係る事業の事業主による育児等退職者の積極的な再雇用の促進、育児等退職者の職業能力の開発及び向上の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (次世代育成支援)
第十六条 国及び地方公共団体は、子どもを生み育てる者の多様な需要に対応した保育サービス等の充実、母子保健医療体制の充実、地域社会における次世代育成支援体制の整備等次世代育成を積極的に支援するために必要な措置を講ずるものとする。

 (児童手当の拡充)
第十七条 国は、子どもを育てる者の経済的負担の軽減を図り、安心して子どもを生み育てることができるようにするために、児童手当の支給対象児童の範囲を拡大するとともに、その支給額を子どもの教育費等の相当部分を賄うことができる額に引き上げるものとする。

 (父母等同居手当制度の創設)
第十八条 国は、父母等と同居し、その生活を助ける者の経済的負担の軽減を図り、家族が安心して生活することができるようにするために、父母等と同居する者に対して父母等同居手当として父母等と同居することによる経済的負担の相当部分を賄うことができる額の手当を支給する制度を創設するものとする。この場合において、父母等同居手当は、父母等又は父母等と同居する者の所得が一定額以上であるときは、その全部又は一部を支給しないものとする。

 附 則

この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

我が国における急速な少子化及び高齢化の進展が経済社会の変化と相まって、国民生活に広範な影響を及ぼしている状況にかんがみ、すべての国民が豊かな家庭生活を営みつつ生涯にわたって生きがいを持って働き、安心して生活することができるようにするため、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(税制改革基本法案)

[税金]
4.所得税・住民税を半分にする法案(税制改革基本法案) 

国や地方のムダを省いて財源を確保し、所得税・住民税を半分にし、社会への参加料として、国民全員が税金を納めるような仕組みをつくります。税負担が増える方には、手当を給付し補います。

所得課税の各種控除は原則廃止し、国民の誰もが、たとえ少額でも社会への共益費として、自己申告により所得税を納める仕組みを構築し、所得税・住民税は半分にします。それにより、納税者意識の向上を図ります。

あわせて法人課税は実効税率を大幅に引き下げ、日本企業の国際競争力の強化と外国からの対日投資を進めます。


税制改革基本法案

自 由 党

 目次
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 個人の所得に関する税制の改革(第六条・第七条)
第三章 法人税に関する改革(第八条・第九条)
第四章 消費税に関する改革(第十条・第十一条)
第五章 租税特別措置等の廃止(第十二条)
附則

 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、公平で簡素な税制の確立に向けたこの法律の定めるところにより行われる税制の抜本的な改革(以下「抜本的税制改革」という。)の趣旨、基本理念等を明らかにし、かつ、簡潔にその全体像を示すことにより、抜本的税制改革についての国民の理解を深めるとともに、抜本的税制改革の整合的、包括的かつ一体的な実施を推進し、もって自己責任の原則に基づく自由で公正な開かれた社会の形成に寄与することを目的とする。

 (抜本的税制改革の趣旨)
第二条 抜本的税制改革は、現行の税制が、各種の控除制度、租税特別措置等により、税負担の公平を確保することが困難で、かつ、国民に分かりにくい複雑なものとなっているとともに、急速な少子高齢化の進展、産業をめぐる国際競争の激化等の社会経済情勢の変化に対応できたものとなっていないことに対処して、将来の展望を踏まえつつ、公平で簡素な税制を確立するために行われるものとする。

 (抜本的税制改革の基本理念)
第三条 抜本的税制改革は、租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合うためのものであるという基本的認識の下に、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、税負担の公平が確保され、かつ、国民に分かりやすい簡素な税制を確立することを基本原則として行われるものとする。

 (国及び地方公共団体の責務)
第四条 国及び地方公共団体は、抜本的税制改革に際し、行政及び財政の改革の一層の推進に努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、抜本的税制改革の趣旨及び内容について国民の理解と協力を得るように努める等その円滑な推進に資するための環境の整備に配慮しなければならない。

 (改革の実施)
第五条 抜本的税制改革の趣旨及び基本理念に従い、所得税、個人の道府県民税及び市町村民税(以下「個人住民税」という。)、法人税、消費税、租税特別措置等について、別に法律で定めるところにより、次章から第五章までに定める措置を中心とする改革を行うものとする。

 第二章 個人の所得に関する税制の改革

 (申告税の創設)
第六条 公平で簡素な個人の所得に関する税制を確立するため、次に掲げる方針に従い、国税として申告税を創設するものとする。

一 申告税の納税義務者は、居住者等(居住者(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。以下同じ。)及び居住者以外の個人であって国内における所得を有するものをいう。以下同じ。)とすること。

二 申告税の課税標準は、その年中の総収入金額から必要経費を控除した金額(以下この条において「総所得金額」という。)とすること。

三 総所得金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、その年分の総収入金額を得るために要した必要最小限度の費用の額とし、その計算は、法律で定めるところにより行うこと。

四 申告税には、所得控除、税額控除等の各種の控除制度は、居住者等の最低限度の生活を維持するために必要な金額に係る控除を除き、原則として設けないこと。

五 申告税の額は、その年分の課税総所得金額(総所得金額から別に法律で定める控除をした残額をいう。)を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とすること。
千万円以下の金額         百分の五
   千万円を超え二千万円以下の金額  百分の十
   二千万円を超える金額       百分の二十 

2 納税者としての意識の高揚を図るため、申告税は、申告納税方式(納付すべき税額が納税者のする申告(電子情報処理組織を使用するものを含む。)により確定することを原則とする方式をいう。)により納付されるものとする。

3 申告税の創設に伴い、所得税は、廃止するものとする。

 (個人住民税の負担の公平の確保等)
第七条 個人住民税の負担の公平を確保し、及びその簡素化を図るため、次に掲げる方針に従い、個人住民税の改正を行うものとする。
一 個人住民税の所得割の課税標準は、前年の総所得金額とすること。
二 前号の総所得金額は、申告税に係る総所得金額の計算の例によって算定すること。
三 個人住民税に係る所得控除の制度は、基礎控除を除き、原則として廃止すること。
四 個人住民税の所得割の税率は、百分の五とすること。

2 納税者としての意識の高揚を図るため、個人住民税については、特別徴収による納付の制度は、廃止するものとする。

 第三章 法人税に関する改革

 (法人税の負担の軽減)
第八条 国際的視点に立った法人税制の確立を目指し、法人税の負担が内国法人(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第三号に規定する内国法人をいう。)の国際競争力を阻害することのない水準になるとともに、我が国への投資の促進に資するよう、法人税の基本税率を引き下げるものとする。

 (創造的事業活動の促進)
第九条 次の措置を講ずることにより創業等を通じて新たな事業分野の開拓を図る創造的事業活動を行う中小企業者の法人税の負担の軽減を図るものとする。

一 別に法律で定める創造的事業活動を行う中小企業者に該当する法人に対しては、当該法人の設立の日を含む事業年度からその設立の日以後三年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度の所得に対する法人税を課さないこと。

二 前号に規定する法人に対しては、当該法人の設立の日以後三年を経過する日を含む事業年度の翌事業年度からその設立の日以後五年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度において、当該事業年度の所得から別に法律で定める留保控除額を控除した金額について法人税を課すること。

 第四章 消費税に関する改革

 (消費税の収入の使途)
第十条 高齢化の進展に適切に対処し、高齢者に係る基礎的な社会保障に要する費用の安定した財源を確保するため、消費税の収入の全額は、基礎年金、老人医療及び介護に要する費用の財源に充てるものとする。

 (消費税の課税の適正化)
第十一条 消費税に係る課税の公平を図るため、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第九条に規定する小規模事業者に係る納税義務の免除の措置及び同法第三十七条に規定する中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例は、廃止するものとする。

 第五章 租税特別措置等の廃止

第十二条 公平で簡素な税制を確立するため、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)による租税特別措置及び地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)による非課税等特別措置は、原則として廃止するものとする。

 附 則

この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

公平で簡素な税制の確立に向けた抜本的税制改革についての国民の理解を深めるとともに、抜本的税制改革の整合的、包括的かつ一体的な実施を推進するため、抜本的税制改革の趣旨、基本理念等を明らかにし、かつ、簡潔にその全体像を示す必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(地方自治確立基本法案)

[地方分権]
5.地方を活性化させ悪い癒着をなくす法案(地方自治確立基本法案) 

地方の人々が、政治家や中央官庁に陳情するのは、個別補助金を国が握っていて、それを地方に配る仕組みだからです。補助金を廃止し、地方が自由に使えるように改めて、市町村長さん、地方議員さん、地域住民のみなさんで相談して、効率よくお金が使えるようにします。官官接待、政官業癒着もなくなります。

国は外交、防衛、治安維持、義務教育、基礎的社会保障、地球環境保全等、国家の根幹に関わる事務に限定し、国と地方の権限・事務配分の抜本的な見直し、地方財源の充実・確保を図ります。
現行の地方自治体は概ね300の市に再編し、地方行政の機能強化を進めます。

これらが実施されるまでは、国から地方への補助金を、使途を限定せずに使用できる「一括交付金」として配分し、「地方の自立」の端緒とします。


地方自治確立基本法案

自 由 党

 (目的)
第一条 この法律は、地方公共団体が住民の福祉の増進を図る観点から真に必要な施策を自らの判断と責任において策定し及び執行することができる体制を確立することの緊要性にかんがみ、国と地方公共団体との間の事務の配分及び地方公共団体に関する法令の規定の抜本的見直し、地方税財源の充実確保等、地方公共団体の行政体制の強化等並びに一括交付金の交付に関し国が講ずべき措置等を定めることにより、国及び地方公共団体を通じた行財政の効率化を図るとともに、地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。

 (国の責務)
第二条 国は、この法律の施行後五年を目途として、次条から第六条までに定める措置を講じなければならない。

 (国と地方公共団体との間の事務の配分の抜本的見直し)
第三条 国は、国においては主として外交、防衛、司法、危機管理、治安の維持、義務教育、基礎的な社会保障、基幹的な社会資本の整備、地球環境保全その他の国家の根幹にかかわる事務を担うべきであるとの観点から、国と地方公共団体との間の事務の配分の在り方について抜本的な見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体に関する法令の規定の抜本的見直し)
第四条 国は、地方公共団体が地域における行政について企画、立案及び調整を含め一貫して自主的かつ自立的にこれを実施することができるよう、地方公共団体に関する法令の規定について抜本的な見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (地方税財源の充実確保等)
第五条 国は、地方公共団体の権限に応じた税財源の移譲その他の地方税財源の充実確保を図るとともに、地方公共団体間の財政の調整に関する制度を主として財源の均衡化を図るという本来の目的に合致したものとするための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体の行政体制の強化等)
第六条 国は、地方公共団体の行政体制の強化及び行財政の効率化を図るため、現行の地方公共団体をおおむね三百の市に再編するための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (一括交付金の交付)
第七条 国は、地方公共団体に対する個別の補助金等(財政構造改革の推進に関する特別措置法(平成九年法律第百九号)第三十四条に規定する補助金等であって、地方公共団体の義務的経費である人件費又は扶助費に主として充当されるもの以外のものをいう。)を廃止するとともに、第五条に定める措置が講ぜられるまでの間の応急の措置として、地方公共団体に対してその裁量により使用することができる財源としての一括交付金(以下単に「一括交付金」という。)を平成十六年度以降の各年度において交付するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 地方公共団体に対して交付する一括交付金の額は、毎年度、当該地方公共団体の人口、面積その他の基本的な指標に基づき、その財政力、社会資本整備の状況等を考慮して定めるものとする。

3 国は、一括交付金の交付に当たっては、地方自治の本旨を尊重し、条件を付け、又はその使途を制限してはならないものとする。

4 地方公共団体は、一括交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに留意し、一括交付金を公正かつ効率的に使用しなければならないものとする。

 附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

 地方公共団体が住民の福祉の増進を図る観点から真に必要な施策を自らの判断と責任において策定し及び執行することができる体制を確立することの緊要性にかんがみ、国と地方公共団体との間の事務の配分及び地方公共団体に関する法令の規定の抜本的見直し、地方税財源の充実確保等、地方公共団体の行政体制の強化等並びに一括交付金の交付に関し国が講ずべき措置等を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(国民主導政治確立基本法案&内閣法制局設置法を廃止する法案)

[国民政治]
6.官僚主導ではなく国民主導の政治にする法案(国民主導政治確立基本法案) 

官僚が国会審議や議員の活動に口をだすことを禁止し、政治家自身が政策を立案・決定する本来の制度に改めます。これによって政治家の官僚依存がなくなり、真の国民主導の政治が実現します。

国会議員と一般職国家公務員との接触を制限することにより、「政と官」のあり方を根本的に変え、「国会立法調査院」の設置によって国会の立法調査機能を強化します。さらに、委員会審議は政治家同士の真の討論の場とします。

(関連法案: 内閣法制局設置法を廃止する法案) 


国民主導の国政の実現に関する基本法案

自 由 党

 目次

第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 行政機関の職員の国会議員等への接触の制限等(第四条―第七条)
第三章 国会審議における参考人からの説明又は意見の聴取(第八条・第九条)
第四章 国会立法調査院の設置等(第十条)
第五章 国会法の一部改正(第十一条)
附則


 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、国政が国民の厳粛な信託によるものであって、国政における意思決定が全国民の代表である国会議員により責任をもってなされるべきものであることにかんがみ、政治主導の政策決定の在り方に関する基本理念を定めるとともに、行政機関の職員の国会議員等への接触の制限、国会の立法機能及び行政監視機能の強化その他の措置を講ずることにより、国民主導の国政の実現に資することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「国会議員等」とは、次に掲げる者をいう。
一 国会議員
二 国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百三十二条に規定する秘書その他国会議員に使用される者で当該国会議員の政治活動を補佐するもの
三 政党(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第二項に規定する政党をいう。以下同じ。)の役員及び職員

2 この法律において「行政機関の職員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第二項に規定する一般職に属する国家公務員及び同条第三項第十六号に規定する防衛庁の職員をいう。

 (基本理念)
第三条 政府における政策に関する企画、立案及び決定は、原則として、内閣総理大臣その他の国務大臣、副大臣(法律で国務大臣をもってその長に充てることと定められている各庁の副長官を含む。)、大臣政務官(長官政務官を含む。以下同じ。)及び国会議員から任命された内閣官房副長官(以下「国務大臣等」という。)が行い、行政機関の職員は、必要な情報の提供等によってこれを補佐するものとする。

2 政府からの国会議員等に対する情報の提供等は、原則として、国務大臣等が行い、行政機関の職員は、国会における国政の審議に係る国会議員等の活動に関与してはならないものとする。

 第二章 行政機関の職員の国会議員等への接触の制限等

 (行政機関の職員の国会議員等への接触の制限)
第四条 行政機関の職員は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、国会議員等と面会し、政党における会議その他国会議員等が出席する会議に出席し、その他国会議員等に接触する行為をしてはならない。

2 行政機関の職員が前項の規定に違反したと認めるときは、当該職員の任命権者は、国家公務員法又は自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)に基づく懲戒処分を行うものとする。

 (国会議員等からの行政機関に対する照会等)
第五条 国会議員等からの行政機関に対する照会又は意見の申出は、当該行政機関の事務を統括し若しくは掌理し又は当該行政機関に置かれている国務大臣等(次項において「当該国務大臣等」という。)に対し、書面をもって行われなければならないものとする。

2 前項に規定する照会又は意見の申出に対する回答は、当該国務大臣等から書面をもって行われなければならないものとする。

 (大臣政務官の増員等)
第六条 別に法律で定めるところにより、各行政機関に置かれる大臣政務官を増員し、それぞれ十人程度とするものとする。

2 国会議員から任命された大臣政務官は、大臣政務官の給与を受けず、国会議員として受ける待遇以外の待遇を受けないものとする。

 (地方公共団体の施策)
第七条 地方公共団体は、この章の規定に基づく国の施策に準じて、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第二項に規定する一般職に属する地方公務員の当該地方公共団体の議会の議員等との接触の制限に係る施策を講ずるものとする。

 第三章 国会審議における参考人からの説明又は意見の聴取

 (調査小委員会の設置)
第八条 各議院の委員会及び参議院の調査会は、行政に関する細目的又は技術的事項、実務経験又は専門的知識を必要とする事項等について審査又は調査を行うため、調査小委員会を設けるものとする。

 (調査小委員会における参考人からの説明又は意見の聴取)
第九条 各議院の委員会又は参議院の調査会が参考人として行政機関の職員、学識経験者等の出席を求め、説明又は意見を聴取するときは、前条の調査小委員会において行うものとする。

 第四章 国会立法調査院の設置等

第十条 国会の立法機能及び行政監視機能の強化に資するため、衆議院調査局(議院事務局法(昭和二十二年法律第八十三号)第十五条に規定する衆議院調査局をいう。)、衆議院法制局、参議院の調査室(参議院の常任委員会、特別委員会及び調査会の調査の事務を行う部局をいう。)、参議院法制局及び国立国会図書館調査及び立法考査局を統合し、国会立法調査院とするものとする。

2 国会立法調査院は、国会に置くものとし、立法に関する企画及び立案、行政監視その他の国政に関する調査等について、各議院及びその委員会並びに国会議員を補佐する機能を担うものとする。

3 国会立法調査院の長は、両議院の議長の監督の下に、国会立法調査院の事務を統理し、所属職員を監督するものとする。

4 国会立法調査院の管理及び運営については、両議院の議院運営委員会が審査するものとする。

5 国会立法調査院は、官公署に対し資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができるものとし、官公署は、その求めに応じるよう努めなければならないものとする。この場合において、官公署が求めに応じないときは、国会立法調査院は、その旨を当該官公署に関する事項を所管する両議院の委員会に報告するものとする。

6 我が国及び外国の立法、議会制度その他の諸制度等に関する基礎的かつ総合的な調査研究等を行わせるため、国会立法調査院に、総合立法研究所を置くものとする。

 第五章 国会法の一部改正

第十一条 国会法の一部を次のように改正する。

第五十四条の四第一項中「、第百五条」を「から第百五条の二まで」に改める。

第百四条の次に次の一条を加える。

第百四条の二 各議院の委員会は、その委員の四分の一以上から、内閣又は官公署に対して前条第一項の規定により報告又は記録の提出を求めるよう要請があつたときは、その要請の日から三日を経過した日に、同項の規定により報告又は記録の提出を求めるものとする。ただし、その要請の日から三日以内に、委員会において同項の規定による報告又は記録の提出を求めないものと議決したときは、この限りでない。

第百五条の次に次の一条を加える。

第百五条の二 各議院の委員会は、その委員の四分の一以上から、会計検査院に対して前条の規定により会計検査及びその結果の報告を求めるよう要請があつたときは、その要請の日から三日を経過した日に、同条の規定により会計検査及びその結果の報告を求めるものとする。ただし、その要請の日から三日以内に、委員会において同条の規定による会計検査及びその結果の報告を求めないものと議決したときは、この限りでない。

 附 則

この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 第二章(第六条を除く。)の規定 第六条第一項に規定する法律の施行の日

二 第五章の規定 第百五十七回国会の召集の日

 理 由

国民主導の国政の実現に資するため、政治主導の政策決定の在り方に関する基本理念を定めるとともに、行政機関の職員の国会議員等への接触の制限、国会の立法機能及び行政監視機能の強化その他の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。





内閣法制局設置法を廃止する法律案

自 由 党

内閣法制局設置法(昭和二十七年法律第二百五十二号)は、廃止する。

 附 則

 (施行期日)
1 この法律は、平成十六年四月一日から施行する。ただし、附則第四項の規定は、次の常会の召集の日から施行する。

 (恩給法の一部改正)
2 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
  第二十条第二項第二号中「、法制局長官、法制局次長」を削り、同項第三号中「法制局参事官若ハ法制局事務官又ハ」を削り、「若ハ人事院」を「又ハ人事院」に、「若ハ教官」を「又ハ教官」に改める。

 (恩給法の一部改正に伴う経過措置)
3 従前の規定による法制局長官及び法制局次長並びに法制局参事官及び法制局事務官については、前項の規定による改正後の恩給法第二十条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (国会法の一部改正)
4 国会法(昭和二十二年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。
  第六十九条第二項中「、内閣法制局長官」を削る。

 (国家公務員法の一部改正)
5 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

第二条第三項第四号を次のように改める。
 四 削除

 (国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部改正)
6 国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律(昭和二十四年法律第百一号)の一部を次のように改正する。
  第一条の表国立国会図書館支部内閣法制局図書館の項を削る。

 (国家公務員宿舎法の一部改正)
7 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の一部を次のように改正する。
  第十条第十号を次のように改める。
  十 削除

 (弁護士法の一部改正)
8 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)の一部を次のように改正する。
  第五条第二号中「又は第三十八号」を「若しくは第三十八号」に、「、衆議院」を「又は衆議院」に改め、「又は内閣法制局参事官」を削る。

 (弁護士法の一部改正に伴う経過措置)
9 従前の規定による内閣法制局参事官については、前項の規定による改正後の弁護士法第五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)
10  特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

第一条第四号を次のように改める。
 四 削除

 別表第一官職名の欄中「内閣法制局長官 内閣官房副長官」を「内閣官房副長官」に改める。

 (国家公務員等の旅費に関する法律の一部改正)
11  国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項第二号中「第一条第四号」を「第一条第五号」に改める。

 (行政機関の職員の定員に関する法律の一部改正)
12  行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

 第一条第一項中「内閣の機関(内閣官房及び内閣法制局をいう。以下同じ。)」を「内閣官房」に改め、同条第二項第一号中「第四号」を「第五号」に改める。

 第二条中「内閣の機関」を「内閣官房」に改める。

 (国家公務員倫理法の一部改正)
13  国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

 第五条第三項中「、内閣法制局長官」を削る。

 理 由

 内閣法制局を廃止するため、内閣法制局設置法の廃止その他所要の規定の整備を行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


【自由党】 日本一新 11法案(安全保障基本法案)

[安全保障]
7.もっと力強く平和を守りぬくための法案(安全保障基本法案) 

国民の生命・財産と基本的人権を守ること、日本国憲法の国際協調主義、平和主義を鮮明にします。
自衛権の発動としての武力行使は、わが国に対して直接の武力攻撃があった場合に限定します。

国際平和維持のための活動については、国連の決議に従って積極的に参加します。


安全保障基本法案

自 由 党

  (目的)
第一条 この法律は、日本国憲法の平和主義及び国際協調主義の理念を踏まえ、国の防衛並びに国際の平和及び安全の維持に関する国際協力に関し、基本理念その他の基本となる事項を定めることにより、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つとともに、国際社会の一員として国際連合を中心とする国際の平和及び安全の維持のための努力に積極的に寄与することを目的とする。


 (基本理念)
第二条 国の防衛に関する施策は、我が国の平和及び安全の維持を図るため、外交努力による国際的な安全保障環境の安定の確保及び国内社会の安定による安全保障基盤の確立のための施策とともに総合的に講じられるものとする。

2 国の防衛に関する措置は、防衛力が国の崇高な使命である安全保障を最終的に担保するものであって、その機能は他のいかなる手段によっても代替し得ないものであるとの国民の共通の認識の下に行われるものとする。

3 国際の平和及び安全の維持に関する国際協力は、これを行うことが国際社会の一員としての我が国の責務であること並びに我が国の平和及び安全の維持を図る上で国際の平和及び安全の維持が不可欠であることにかんがみ、積極的に行われなければならない。

 (自衛権の発動としての武力の行使)
第三条 自衛権の発動としての武力の行使は、我が国に対して直接の武力攻撃があった場合及び我が国周辺の地域においてそのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある事態が生じた場合に限り、これを行うことができる。

2 自衛権の発動としての武力の行使は、自衛隊がその任に当たるものとする。

 (重大緊急事態への自衛隊の対処)
第四条 前条第一項に規定する場合のほか、国及び国民の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある緊急事態が発生した場合において、一般の警察力をもっては対処することができないときは、自衛隊が公共の秩序の維持に当たるものとする。

 (防衛力の整備)
第五条 政府は、第二条に規定する基本理念にのっとり、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、国防のための組織の整備その他の防衛力の整備を適切に行わなければならない。

 (アメリカ合衆国との防衛協力)
第六条 政府は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約が我が国の平和及び安全の維持に重要な役割を果たしているものであることにかんがみ、同条約に基づき、アメリカ合衆国と緊密な防衛協力を行うものとする。

 (国際の平和及び安全の維持又は回復を図るための活動等に対する協力)
第七条 我が国は、国際の共同の利益のため必要があると認めるときは、国際連合の総会、安全保障理事会若しくは経済社会理事会が行う決議又は国際連合、国際連合の総会によって設立された機関若しくは国際連合の専門機関若しくは国際移住機関が行う要請に基づいて行われる国際の平和及び安全の維持若しくは回復を図るための活動(武力の行使を伴う活動を含む。)又は国際的な救援活動に積極的に協力するものとする。

2 前項に規定する活動に対する協力は、国際法規及び国際連合の定める基準その他確立された国際的な基準に従って行われるものとする。

 (国際連合平和協力隊の創設)
第八条 前条第一項に規定する活動のために我が国が実施する業務を行うため、別に法律で定めるところにより、常設の組織として、防衛庁に国際連合平和協力隊を置く。
2 国際連合平和協力隊の任務、組織、施設、隊員の教育訓練その他国際連合平和協力隊に関し必要な事項については、別に法律で定める。

 (法制上の措置)
第九条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。


 附 則

この法律は、公布の日から施行する。


 理 由

我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つとともに、国際社会の一員として国際連合を中心とする国際の平和及び安全の維持のための努力に積極的に寄与するため、日本国憲法の平和主義及び国際協調主義の理念を踏まえ、国の防衛並びに国際の平和及び安全の維持に関する国際協力に関し、基本理念その他の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(非常事態対処基本法案) 

[非常事態]
8.非常事態に速やかに対処できる法案(非常事態対処基本法案) 

外国による侵略、大規模テロ、大規模な自然災害、経済社会の騒乱など、さまざまな非常事態に、原則として国会の承認を得たうえ、総理大臣が速やかに対処できる体制を整えます。また国民が損害を受けた場合には、国が全責任を持って補償します。

わが国に対する武力攻撃、大規模テロ、大規模災害等に備え、平時から内閣に非常事態対処会議を設け、総理大臣に権限を集中し迅速に対処します。
基本的人権の制限は必要最小限にするほか、被災者の救助、救急医療の実施や、発生した損害への正当な補償を行うこととしています。


非常事態対処基本法案

自 由 党

 (目的)
第一条 この法律は、非常事態への対処について、基本理念、非常事態の布告、非常事態対処会議の設置その他の基本となる事項を定めることにより、非常事態への対処のための態勢を整備し、もって国の安全の確保並びに非常事態における国民の生命、自由及び財産に対する権利をはじめとする日本国憲法の保障する基本的人権の保護に資することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「非常事態」とは、直接侵略又は間接侵略、テロリストによる大規模な攻撃、大規模な災害又は騒乱等が発生し、かつ、これにより、国民の生命、身体若しくは財産に重大な被害が生じ、若しくは生じるおそれが生じ、又は国民生活との関連性が高い物資若しくは国民経済上重要な物資が欠乏し、その結果、国民生活及び国民経済に極めて重大な影響が及ぶおそれが生じ、通常の危機管理体制によっては適切に対処することが困難な事態をいう。

 (基本理念)
第三条 非常事態においては、国が国民の生命、身体及び財産を保護する固有の使命を有すること並びに地方公共団体がこれを補完して当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、それぞれの役割に応じて相互に協力し、国民の生命、身体及び財産を保護するために必要なあらゆる措置が講じられなければならない。

2 非常事態への対処に当たり日本国憲法の保障する国民の自由と権利に制限が加えられる場合には、その制限は非常事態に対処するために必要最小限のものとなるようにしなければならない。

3 非常事態への対処のために国及び地方公共団体が講じた措置により生じた損失及び当該措置に係る業務に従事したことにより生じた損害については、正当な補償が行われなければならない。

4 非常事態への対処のために行う国の地方公共団体に対する指示その他の関与等については、地方自治の本旨を尊重し、非常事態に対処するために必要最小限のものとなるようにしなければならない。

 (国民の保護)
第四条 非常事態においては、国及び地方公共団体は、それにより生じる被害から国民を保護し、及び国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保するため、別に法律で定めるところにより、次に掲げる措置その他の措置を講じなければならない。
 一 警報の発令、避難の指示、被災者の救助、救急医療及び消防
 二 国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の供給の確保

2 国及び地方公共団体は、前項の措置の円滑な実施に資するため、別に法律で定めるところにより、防災訓練の実施、防災に必要な物資の備蓄、都市の防災構造の改善に関する事業の実施その他必要な施策を講じなければならない。

 (基本方針)
第五条 政府は、組織及び機能のすべてを挙げて非常事態に有効かつ適切に対処することができるようにするため、あらかじめ、非常事態への対処に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 非常事態への対処に関する基本的な方針
 二 非常事態の類型及び認定並びに当該類型ごとの非常事態への対処に関する基本的事項
 三 前二号に掲げるもののほか、非常事態への対処に関する重要事項

3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を非常事態対処会議の長に通知するとともに、公表しなければならない。

5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

 (非常事態の布告)
第六条 内閣総理大臣は、非常事態に至ったと認めるときは、閣議にかけて、非常事態の布告を発することができる。

2 前項の布告には、その区域、事態の概要及び布告の効力を発する日時を記載しなければならない。

3 内閣総理大臣は、第一項の布告を発する場合には、あらかじめ、国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第五十四条に規定する緊急集会による参議院の承認。以下この条において同じ。)を得なければならない。ただし、特に緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで布告を発することができる。

4 前項ただし書の規定により国会の承認を得ないで布告を発した場合には、内閣総理大臣は、直ちに、これにつき国会の承認を求めなければならない。

5 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が非常事態の布告の廃止を議決したとき、又は当該布告の必要がなくなったときは、直ちに、当該布告を廃止しなければならない。

 (国会への報告)
第七条 政府は、非常事態の布告が廃止されるまでの間、前条第三項又は第四項の規定による国会の承認を得た日から六十日ごとに、国会に対し、非常事態及びこれへの対処に関する状況について報告しなければならない。

 (内閣総理大臣の権限)
第八条 内閣総理大臣は、第六条第一項の規定に基づき非常事態の布告が発せられた場合において、非常事態への対処のための措置を迅速かつ的確に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、別に法律で定めるところにより、次に掲げる措置その他の非常事態に対処するために必要な緊急の措置を講ずることができる。
 一 警察の統制
 二 海上保安庁の統制
 三 非常事態への対処のための措置を実施すべき旨の地方公共団体の長に対する指示及び当該指示に基づく所要の措置を怠るときにおける代執行その他の地方公共団体が実施すべき措置の直接の実施
 四 運輸事業、通信事業、エネルギーを供給する事業その他の国民生活の円滑な運営に重大な影響を及ぼす事業を行う者に対する必要な指示

 (緊急措置)
第九条 第六条第一項の規定に基づき非常事態の布告が発せられ、法律の規定によっては国民生活の安定と国民経済の円滑な運営に関する事項について必要な措置をとることができない場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、別に法律で定めるところにより、内閣は、当該措置をとるため、政令を制定することができる。

 (非常事態対処会議の設置)
第十条 内閣に、非常事態への対処を迅速かつ的確に実施するため、非常事態対処会議を置く。

(非常事態対処会議の所掌事務)
第十一条 非常事態対処会議は、第六条第一項の規定に基づき非常事態の布告が発せられた場合において、基本方針に従い、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 非常事態への対処のために実施すべき措置に係る方針の決定に関すること。
 二 国及び地方公共団体が非常事態への対処のために実施する措置の総合調整に関すること。
 三 前二号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務

 (非常事態対処会議の組織等)
第十二条 非常事態対処会議は、議長及び第五項各号に掲げる議員で組織する。

2 議長は、内閣総理大臣をもって充てる。

3 議長は、会務を総理する。

4 議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、次項第一号に掲げる者である議員がその職務を代理する。

5 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
 一 内閣法(昭和二十二年法律第五号)第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣
 二 外務大臣
 三 財務大臣
 四 内閣官房長官
 五 国家公安委員会委員長
 六 防衛庁長官

6 議長は、必要があると認めるときは、関係の国務大臣、統合幕僚会議議長その他の関係者を非常事態対処会議に出席させ、意見を述べさせることができる。

7 非常事態対処会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

8 この法律に定めるもののほか、非常事態対処会議に関し必要な事項は、政令で定める。

 (法制上の措置)
第十三条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。

 附 則

この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

非常事態への対処のための態勢を整備し、もって国の安全の確保並びに非常事態における国民の生命、自由及び財産に対する権利をはじめとする日本国憲法の保障する基本的人権の保護に資するため、非常事態への対処について、基本理念、非常事態の布告、非常事態対処会議の設置その他の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(人づくり基本法案)

[人づくり]
9.日本人の良いところを伸ばしていく法案(人づくり基本法案) 

義務教育については、教師の身分を国が保障して質を高めると同時に、内容は市町村が自由に工夫できる仕組みに改めます。

学校の完全週休二日制をやめて、基礎学力を維持、向上させるとともに、日本人の伝統的な資質を育み、「よき日本人」を育てることを重視します。
教師、子どもたち、家族が一緒に道徳、集団生活のルールや地域の伝統文化を学ぶ日をつくります。

自由、公正かつ開かれた社会の構築のために、人づくりの基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体、学校、家庭、地域社会の責務を明らかにしています。

また、義務教育に従事する教員は私立を除き国家公務員の身分を保障し、教育委員会は廃止して、教育評価・勧告制度を創設することとします。


人づくり基本法案

自 由 党

 我が国においては、日本国憲法に基づき、半世紀余りにわたり、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成が進められてきた。
 一方、世界の政治及び経済の歴史的な変動並びに国内経済の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に伴い、自由で公正な開かれた社会の構築を目指してあらゆる仕組みが変革を迫られており、それを担い得る人間の育成が、今日の我が国における最重要課題となっている。
 我々は、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献することを目指しつつ、新しい日本の確立に向け、自主自立の精神と創造性に富み、自ら自分の人生を切り開き、かつ、我が国及び国際社会に自ら役立とうとする人間を育成するために、あらゆる機会に、あらゆる場所において人づくりに取り組む決意をしなければならない。
 ここに、新しい日本人を育成する基本理念を明示し、将来に向かって社会全体が協力して人づくりを総合的に推進していくため、この法律を制定する。

 (目的)
第一条 この法律は、自由で公正な開かれた社会の構築のための人づくりの緊要性にかんがみ、人づくりの基本的な理念及び方針を明らかにするとともに、教育及び教育行政に関する基本となる事項等を定めることにより、健やかで豊かな人間性を備えた創造性に富む人づくりを推進し、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現を図り、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献することを目的とする。

 (基本理念)
第二条 人づくりは、学校、家庭、地域社会その他の様々な場における教育を通じて、我が国の歴史と伝統文化を踏まえつつ、自由で公正な開かれた社会の担い手として、人間の尊厳を尊び、勤労と責任を重んじ、日本と地域社会に誇りを持ち、及び自主自立の精神に充ちた健やかな国民の育成を期して行われなければならない。

 (基本方針)
第三条 人づくりは、前条に定める基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に従い、総合的かつ効果的に行われなければならない。

一 学校教育、家庭教育及び社会教育の適切な連携及び相互の補完により、それぞれの教育の機能を高めて行うこと。
二 自由で公正な開かれた社会を生きるための基礎的な素養を修得させること。
三 国政及び地方自治に参画する良識ある国民として必要な政治的教養を尊重すること。
四 宗教の社会生活における役割を尊重すること。
五 修学困難な者に対する奨学に努めること。
六 人づくりに関する国民の自発的な取組を尊重すること。
七 国民が次代における人づくりの担い手となることに配慮すること。

 (学校教育)
第四条 学校教育は、国民に対し、その発達段階及び個性に応じた学習の機会を提供しなければならない。

2 学校教育は、我が国の歴史と伝統文化を踏まえつつ、国際社会の変動、科学技術の進展その他の社会経済情勢の変化に的確に対応することに努めなければならない。

3 学校教育においては、学校の自主性及び自立性が十分に発揮されなければならない。

4 学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。

5 学校は、公の性質を有するものであり、その教員は、全体の奉仕者であって、自己の崇高な使命を自覚し、その職責の十全な遂行に努めなければならない。

6 学校の教員は、その身分が尊重され、その待遇が適正に保障されなければならない。

 (義務教育)
第五条 義務教育は、学校教育の中核として、すべての国民に共通して必要とされる基礎的な学力の維持向上、心身の調和的発達、文化的素養の醸成、畏敬の精神の涵養、国際協調の精神の養成及び自主自立の精神の体得を旨とし、最終的に国の責任において行われなければならない。

2 国は、義務教育に関し、地方公共団体の行う自主的かつ主体的な施策に配慮しなければならない。

3 地方公共団体は、義務教育に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地域の特性に応じた施策を講ずるものとする。

4 地方公共団体又は国が設置する学校において義務教育に従事する教員は、全国的な見地から人材が確保されるよう、国家公務員の身分を有するものとする。

 (高等教育)
第六条 高等教育は、我が国の学術研究の分野において、その水準の向上及びその多様化を図るとともに、創造性に富む研究者及び技術者を育成することを旨として行われるものとする。

2 大学等は、社会に開かれたものとなるよう、職業人としての資質の向上に資するための社会人の受入れの拡大、地域及び産業の活性化に資する人材の養成を目指した地域社会及び産業界との連携等を図るものとする。

 (家庭教育)
第七条 家庭教育は、すべての教育の原点であり、基本的な生活習慣、倫理観、自制心、自立心等の国民の基礎的な資質の形成に積極的な役割を果たすものとする。

2 家庭教育を行う父母その他の保護者を社会全体で支えるため、それらの者に対する支援が積極的に行われなければならない。

 (社会教育)
第八条 社会教育は、勤労の場所その他社会において多様な学習の機会の充実が図られ、国民が生涯を通じて学習できるよう、あらゆる機会に、あらゆる場所において行われなければならない。

2 社会教育の充実は、高齢化、国際化等の社会の変化に的確に対応する観点から、豊富な経験を有する人材の活用及び専門的知識を有する指導者の育成を図ることにより行われるものとする。

 (地域における人づくり)
第九条 地域における人づくりは、社会の一員としての規範意識の向上、地域の伝統文化の継承及び地域社会における有為な人材の育成の観点から、学校、家庭及び地域社会が緊密に連携して行われなければならない。

2 地域における人づくりにおいては、学校はそのための体験活動等の機会を提供するものとし、家庭及び地域社会はこれに積極的に参加するよう努めるものとする。

 (教育行政)
第十条 教育行政は、民主的な運営を旨として行われなければならない。

2 地方公共団体が行う教育行政は、その施策に民意を反映させるものとし、その長が行わなければならない。

3 地方公共団体は、教育委員会を廃止するものとし、教育行政の向上に資するよう、教育行政に関する評価及び勧告を行うための民主的な組織を整備するものとする。

 (法制上の措置)
第十一条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。

 附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)は、廃止する。

 理 由

自由で公正な開かれた社会の構築のための人づくりの緊要性にかんがみ、健やかで豊かな人間性を備えた創造性に富む人づくりを推進し、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現を図り、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献するため、人づくりの基本的な理念及び方針を明らかにするとともに、教育及び教育行政に関する基本となる事項等を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(地球環境保全基本法案)

[地球環境]
10.地球環境保全で世界をリードする法案(地球環境保全基本法案) 

人類と自然との共生の理念に基づき、環境問題の解決に優先的に取り組みます。具体的には、地球温暖化防止や、リサイクル・システム、有害物質の除去について、世界に先駆けて厳しい規則を定めるとともに、情報公開を徹底します。

国家として率先して地球環境の保全に取り組むとともに、日本が国際的に地球環境保全活動の先導役を果たすこととしています。

また、環境対策技術に国として支援していくことなどによって、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、地球環境の保全を通じて積極的に世界に貢献する国づくりを進めます。


地球環境保全基本法案

自 由 党

目次
 第一章 総則(第一条―第十条)
 第二章 地球環境の保全に関する基本的施策
  第一節 施策の策定等に係る指針(第十一条)
  第二節 地球環境基本計画(第十二条)
  第三節 国が講ずる地球環境の保全のための施策等(第十三条―第二十七条)
  第四節 地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等(第二十八条―第三十一条)
  第五節 地方公共団体の施策(第三十二条)
  第六節 費用負担等(第三十三条―第三十六条)
 附則

 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、地球環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、地球環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地球環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに地球環境の保全を通じて積極的に世界に貢献することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「地球環境の保全」とは、地球の全体又は一部の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。

2 この法律において「地球環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、地球環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

3 この法律において「地球全体等に係る環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る地球環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

4 この法律において「公害」とは、地球環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

 (基本理念)
第三条 地球環境の保全は、地球の環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある地球の環境が、人間の活動による地球環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、人間の活動が生態系の微妙な均衡に影響を及ぼすことを厳に抑制することにより人類と自然との共生が実現され、並びに現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな地球の環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である地球の環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。

2 地球環境の保全は、廃棄物の排出を抑制し並びにこれを再使用し及び再生利用すること、化学物質の環境への排出量の把握をし及びその管理の適正化を図ることその他の地球環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな地球の環境を維持しつつ、地球環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、並びに地球的規模の幅広い視点に立ち、及び科学的知見の充実の下に地球環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。

3 地球全体等に係る環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び地球全体等に係る環境保全に積極的に取り組むことが国際社会の一員としての我が国の責務であることにかんがみ、地球全体等に係る環境保全は、我が国が、その能力を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位にふさわしい主導的役割を担いつつ、自ら率先して積極的に推進しなければならない。

 (国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、地球環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、地球環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する

2 事業者は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる地球環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の地球環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う地球環境への負荷の低減その他地球環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する地球環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 (国民の責務)
第七条 国民は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う地球環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、国民は、基本理念にのっとり、地球環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する地球環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 (法制上の措置等)
第八条 政府は、地球環境の保全に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (年次報告等)
第九条 政府は、毎年、国会に、地球の環境の状況及び政府が地球環境の保全に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。

2 政府は、毎年、前項の報告に係る地球の環境の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。

 (放射性物質による大気の汚染等の防止)
第十条 放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)その他の関係法律で定めるところによる。

 第二章 地球環境の保全に関する基本的施策

  第一節 施策の策定等に係る指針

第十一条 この章に定める地球環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。

一 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の地球の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

二 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

三 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

  第二節 地球環境基本計画

第十二条 政府は、地球環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地球環境の保全に関する基本的な計画(以下「地球環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 地球環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 地球環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、地球環境の保全のための教育その他の地球環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 環境大臣は、地球環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、地球環境基本計画を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、地球環境基本計画の変更について準用する。

  第三節 国が講ずる地球環境の保全のための施策等

 (国の施策の策定等に当たっての配慮)
第十三条 国は、地球の環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、地球環境の保全について配慮しなければならない。

 (事業の計画段階における環境影響評価の推進)
第十四条 国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業に関する計画その他これに類するものの立案の段階において、あらかじめその事業に係る地球の環境への影響について自ら適正に調査又は予測をし、その調査又は予測の結果について、地球環境の保全に関し専門的知識を有する者による評価を受け、その評価の結果に基づき、その事業に係る地球環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

 (地球環境の保全のための規制)
第十五条 国は、地球環境の保全のため、次に掲げる規制の措置を講じなければならない。

一 温室効果ガスの排出に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う地球全体等に係る環境保全のために必要な規制の措置

二 本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動が行われる地域において地球環境の保全上の支障が生ずることを防止するために必要な規制の措置

三 人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質の排出に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行うその影響を防止するために必要な規制の措置

四 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う公害を防止するために必要な規制の措置(前号に掲げるものを除く。)

五 土地利用に関し公害を防止するために必要な規制の措置及び公害が著しく、又は著しくなるおそれがある地域における公害の原因となる施設の設置に関し公害を防止するために必要な規制の措置

六 自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更、工作物の新設、木竹の伐採その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、その支障を防止するために必要な規制の措置

七 採捕、損傷その他の行為であって、野生植物の原種等保護することが必要な野生生物の種、地形若しくは地質又は温泉源その他の自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれがあるものに関し、その支障を防止するために必要な規制の措置

八 公害及び自然環境の保全上の支障が共に生ずるか又は生ずるおそれがある場合にこれらを共に防止するために必要な規制の措置

2 前項に定めるもののほか、国は、人の健康若しくは生活環境に係る地球環境の保全上の支障を防止し、又は地球全体等に係る環境保全を推進するため、同項第一号から第五号までに掲げる措置に準じて必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

 (地球環境の保全上の支障を防止するための助成措置)
第十六条 国は、地球環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条及び次条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る地球環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより地球環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (ごみの処理の有料化に係る施策の実施等)
第十七条 国は、地方公共団体が行うごみの処理の有料化に係る施策を策定し、及び実施すること等により、負荷活動を行う者がその負荷活動に係る地球環境への負荷の低減のために要する費用を負担することの必要性について、負荷活動を行う者の意識の啓発を図るものとする。

 (地球環境の保全に関する事業の推進)
第十八条 国は、健全な生態系の創出のための国土の緑化事業その他の地球環境の保全のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、緩衝地帯その他の地球環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び汚泥のしゅんせつ、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の地球環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

3 国は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、地球環境への負荷の低減に資する交通施設(移動施設を含む。)その他の地球環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の地球環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

4 国は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

5 国は、前二項に定める公共的施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る地球環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。

 (環境産業の振興)
第十九条 国は、健全で恵み豊かな地球の環境を維持しつつ、地球環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築を推進するため、再生資源を原材料として使用する製品又は温室効果ガスの排出の抑制に資する製品を製造する事業その他の地球環境の保全に資する産業の振興を図るものとする。

 (地球環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第二十条 国は、事業者に対し、物の製造、加工又は販売その他の事業活動に際して、あらかじめ、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる地球環境への負荷について事業者が自ら評価することにより、その物に係る地球環境への負荷の低減について適正に配慮することができるように技術的支援等を行うため、必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、再生資源その他の地球環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

 (地球環境の保全に関する教育、学習等)
第二十一条 国は、地球環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに地球環境の保全に関する広報活動の充実により事業者及び国民が地球環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の地球環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。

 (民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第二十二条 国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の地球環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

 (情報の提供及び公開)
第二十三条 国は、第二十一条の地球環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う地球環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、地球の環境の状況その他の地球環境の保全に関する必要な情報を適切に提供し、及び公開するように努めるものとする。

2 国は、前項の規定により情報を提供し、及び公開するに当たっては、民間団体等及び地方公共団体がこれを容易に入手することができるよう必要な措置を講ずるとともに、民間団体等及び地方公共団体との間の情報ネットワークの構築を図るよう努めるものとする。

 (調査の実施)
第二十四条 国は、地球の環境の状況の把握、地球の環境の変化の予測又は地球の環境の変化による影響の予測に関する調査その他の地球の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

 (監視等の体制の整備)
第二十五条 国は、地球の環境の状況を把握し、及び地球環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。

 (科学技術の振興)
第二十六条 国は、温室効果ガスの排出の抑制、ダイオキシン類等有害な物質の無害化及びこれによる汚染の除去並びに廃棄物の減量及び資源の再利用の方法の開発に関する科学技術その他の地球環境の保全に関する科学技術の振興を図るものとする。

2 国は、前項の科学技術のうち国として特に振興を図るべき重要なものについて、これに係る研究及び開発を国家的な事業として行うものとする。

3 国は、民間団体等による地球環境の保全に関する科学技術に関する研究及び開発の促進に資するため、前項の規定により国家的な事業として行われた研究及び開発の成果について、これを無償で広く一般に公開するものとする。

4 国は、地球環境の保全に関する科学技術の振興を図るため、試験研究の体制の整備、研究開発の推進及びその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (公害に係る紛争の処理及び被害の救済)
第二十七条 国は、公害に係る紛争に関するあっせん、調停その他の措置を効果的に実施し、その他公害に係る紛争の円滑な処理を図るため、必要な措置を講じなければならない。

2 国は、公害に係る被害の救済のための措置の円滑な実施を図るため、必要な措置を講じなければならない。

  第四節 地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等

 (地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等)
第二十八条 国は、地球全体等に係る環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球全体等に係る環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の地域の環境の保全及び国際的に高い価値があると認められている地球環境の保全であって人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの(以下この条において「開発途上地域の環境の保全等」という。)に資するための支援を行うことその他の開発途上地域の環境の保全等に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国は、地球全体等に係る環境保全及び開発途上地域の環境の保全等(以下「地球全体等に係る環境保全等」という。)に関する国際協力について専門的な知見を有する者の育成、本邦以外の地域の環境の状況その他の地球全体等に係る環境保全等に関する情報の収集、整理及び分析その他の地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (監視、観測等に係る国際的な連携の確保等)
第二十九条 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する地球の環境の状況の監視、観測及び測定の効果的な推進を図るための国際的な連携を確保するように努めるとともに、地球全体等に係る環境保全等に関する調査及び試験研究の推進を図るための国際協力を推進するように努めるものとする。

 (地方公共団体又は民間団体等による活動を促進するための措置)
第三十条 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力を推進する上で地方公共団体が果たす役割の重要性にかんがみ、地方公共団体による地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力のための活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力を推進する上で民間団体等によって本邦以外の地域において地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力のための自発的な活動が行われることの重要性にかんがみ、その活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (国際協力の実施等に当たっての配慮)
第三十一条 国は、政府開発援助について、地球全体等に係る環境保全等を通じて国際社会の全体にわたり人類の福祉を向上させることとなる事業への重点化を図るものとする。

2 国は、国際協力の実施に当たっては、その国際協力の実施に関する地域に係る地球全体等に係る環境保全等について配慮するように努めなければならない。

3 国は、本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動に係る事業者がその事業活動が行われる地域に係る地球全体等に係る環境保全等について適正に配慮することができるようにするため、その事業者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

  第五節 地方公共団体の施策

第三十二条 地方公共団体は、第三節に定める国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた地球環境の保全のために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとする。この場合において、都道府県は、主として、広域にわたる施策の実施及び市町村が行う施策の総合調整を行うものとする。

  第六節 費用負担等

 (原因者負担)
第三十三条 国及び地方公共団体は、公害又は自然環境の保全上の支障(以下この条において「公害等に係る支障」という。)を防止するために国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる者(以下この条において「公的事業主体」という。)により実施されることが公害等に係る支障の迅速な防止の必要性、事業の規模その他の事情を勘案して必要かつ適切であると認められる事業が公的事業主体により実施される場合において、その事業の必要を生じさせた者の活動により生ずる公害等に係る支障の程度及びその活動がその公害等に係る支障の原因となると認められる程度を勘案してその事業の必要を生じさせた者にその事業の実施に要する費用を負担させることが適当であると認められるものについて、その事業の必要を生じさせた者にその事業の必要を生じさせた限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。

 (受益者負担)
第三十四条 国及び地方公共団体は、自然環境を保全することが特に必要な区域における自然環境の保全のための事業の実施により著しく利益を受ける者がある場合において、その者にその受益の限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体に対する財政措置等)
第三十五条 国は、地方公共団体が地球環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めるものとする。

 (国及び地方公共団体の協力)
第三十六条 国及び地方公共団体は、地球環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする。

 附 則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (環境基本法の一部改正)
第二条 環境基本法(平成五年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

題名を次のように改める。
  環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律

目次及び第一章の章名を削る。

第一条を次のように改める。
  (趣旨)
  第一条 この法律は、環境基準の設定、公害防止の推進及び中央環境審議会等の設置に関する事項について定めるものとする。

第二条から第十三条までを削る。

第二章の章名、同章第一節及び第二節を削る。

第二章第三節の節名を削る。

第十六条に見出しとして「(環境基準)」を付し、同条第一項中「生活環境」の下に「(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)」を加え、同条第四項中「この章」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二章」に改め、「であって公害」の下に「(同法第二条第四項に規定する公害をいう。以下同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。
 5 第二項の規定により都道府県が処理することとされている事務(政令で定めるものを除く。)は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第十六条を第二条とする。

第二章第四節の節名を削る。

第十七条第二項中「環境基本計画」を「地球環境保全基本法第十二条第一項に規定する地球環境基本計画」に改め、同条を第三条とする。

第十八条を第四条とする。

第二章第五節から第八節までを削る。

第三章の章名及び同章第一節の節名を削る。

第四十一条第二項第一号を削り、同項第二号を同項第一号とし、同項第三号を同項第二号とし、同条を第五条とする。

第四十二条を削り、第四十三条を第六条とし、第四十四条を第七条とする。

第三章第二節の節名を削る。

第四十五条の見出しを「(公害対策会議の設置等)」に改め、同条第二項第一号中「第十七条第四項」を「第三条第四項」に改め、同条を第八条とする。

第四十六条の見出しを「(公害対策会議の組織等)」に改め、同条を第九条とする。

 (地球環境基本計画に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前に前条の規定による改正前の環境基本法第十五条第一項の規定により定められた環境基本計画は、第十二条第一項の規定により地球環境基本計画が定められるまでの間は、同項の規定により定められた地球環境基本計画とみなす。

 (地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

別表第一環境基本法(平成五年法律第九十一号)の項中「環境基本法」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律」に、「第十六条第二項」を「第二条第二項」に改める。

 (森林法の一部改正)
第五条 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。

第四条第四項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十二条第一項」に、「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

 (自然公園法の一部改正)
第六条 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。

第三条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全について」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第三条」に改める。

 (下水道法の一部改正)
第七条 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

第二条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

 (環境事業団法の一部改正)
第八条 環境事業団法(昭和四十年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。

第一条の二中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

 (大気汚染防止法の一部改正)
第九条 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

第五条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。
 第五条の三第二項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (公害紛争処理法の一部改正)
第十条 公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

第二条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

第二十四条第一項第一号中「環境基本法第二条第三項」を「地球環境保全基本法第二条第四項」に改める。

第五十条中「環境基本法第三十一条第一項」を「地球環境保全基本法第二十七条第一項」に改める。

 (公害防止事業費事業者負担法の一部改正)
第十一条 公害防止事業費事業者負担法(昭和四十五年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

第二十条第二号中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改め、同条第三号中「環境基本法第四十四条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第七条」に改める。

 (廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正)
第十二条 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。

第五条の五第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

 (水質汚濁防止法の一部改正)
第十三条 水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

第四条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

第二十一条第一項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改め、同条第二項中「環境基本法第四十三条第二項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条第二項」に改める。

 (農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の一部改正)
第十四条 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和四十五年法律第百三十九号)の一部を次のように改正する。

第三条第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

第五条第五項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正)
第十五条 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改め、同条第二項中「環境基本法第十七条第三項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第三条第三項」に改める。

 (労働安全衛生法の一部改正)
第十六条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

第二十七条第二項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

 (自然環境保全法の一部改正)
第十七条 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

第二条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全について」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第三条」に改める。

 (都市緑地保全法の一部改正)
第十八条 都市緑地保全法(昭和四十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

第二条の二第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十二条第一項」に、「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

 (湖沼水質保全特別措置法の一部改正)
第十九条 湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

第三条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部改正)
第二十条 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成四年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

第六条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

第八条第一項中「環境基本法第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第二条第一項」に改める。

 (特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法の一部改正)
第二十一条 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号)の一部を次のように改正する。

第五条第七項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改め、同条第十一項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (大気汚染防止法の一部を改正する法律の一部改正)
第二十二条 大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成八年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

附則第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

 (環境影響評価法の一部改正)
第二十三条 環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

第十一条第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十四条各号」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十一条各号」に改める。

 (環境省設置法の一部改正)
第二十四条 環境省設置法(平成十一年法律第百一号)の一部を次のように改正する。

第四条第四号中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十七条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第三条第一項」に改め、同条第八号中「環境基本法第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第二条第一項」に改める。

第八条及び第十一条第二項中「環境基本法」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律」に改める。

 (ダイオキシン類対策特別措置法の一部改正)
第二十五条 ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

第十一条第二項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

第二十九条第三項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律の一部改正)
第二十六条 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項第一号中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」を「循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)第二条第八項」に改める。

 (循環型社会形成推進基本法の一部改正)
第二十七条 循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)の一部を 次のように改正する。

第一条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)」に改める。

第二条第八項を次のように改める。
8 この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

第十六条第一項中「環境基本法第十五条第一項に規定する環境基本計画」を「地球環境保全基本法第十二条第一項に規定する地球環境基本計画」に、「「環境基本計画」」を「「地球環境基本計画」」に改め、同条第二項中「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

第二十一条中「環境基本法第二条第三項」を「地球環境保全基本法第二条第四項」に改める。

(特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部改正)
第二十八条 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(平成十五年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

第四条第四項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条又は第四十四条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条又は第七条」に改める。

 理 由

近年における環境問題の複雑化、多様化等の諸事情の変化、地球全体等に係る環境問題に対し我が国が主導的役割を果たす必要性の高まり等環境問題の現況にかんがみ、地球環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地球環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(食糧生産確保基本法案) 

[食糧自給]
11.食料自給率と食品安全性を高める法案(食糧生産確保基本法案) 

国家として必要な主要農産物は、責任をもって自給できるようにします。また、食品の由来が確認できるよう、表示を義務づけます。

添加物などについては記号化により危険の度合いをわかりやすく表示するよう徹底します。

食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、主要農林水産物を国内において必要量生産するとともに、安全な食料を安定的に国民に供給することを目的としています。

具体的には、主要農林水産物の自給率の目標を設定したうえ、生産確保のために国が特定農産物の生産目標を定め、それに対する所得保障を実施するなどの施策を定めています。


食料生産確保基本法案

自 由 党


目次
 第一章 総則(第一条―第八条)
 第二章 主要農林水産物基本計画の作成等(第九条・第十条)
 第三章 主要農林水産物の生産確保のための施策(第十一条―第十五条)
 附則


 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、必要な数量の主要農林水産物を国内で生産できるようにすることが、国民に対し安全な食料を安定的に供給するために不可欠であるだけでなく、国土及び環境の保全を図る上で重要であることにかんがみ、主要農林水産物の生産確保に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、主要農林水産物の生産確保のための施策の基本となる事項を定め、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、我が国の食料の生産確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「主要農林水産物」とは、米、小麦、大豆、野菜、果実、生乳、肉類、魚介類、海そう類、きのこ類その他の国民の食生活に関して重要な地位を占めているものとして政令で定める農林水産物をいう。

 (基本理念)
第三条 主要農林水産物の生産確保は、国内において、国民に対し安定的な供給を行うために必要な数量の生産が確保されることを目標として、行われなければならない。

2 主要農林水産物の生産確保に当たっては、主要農林水産物が食生活その他健康で充実した生活の基礎として国民の健康に大きな影響を及ぼすことにかんがみ、その安全性の確保が図られなければならない。

3 主要農林水産物の生産確保に当たっては、その実現を図ることが国家の存立にかかわる重要な課題であることにかんがみ、国が必要な関与を行わなければならない。

4 主要農林水産物の生産確保は、市場原理の活用を図りつつ、生産者の自主性及び創造性を十分に発揮させるとともに、主要農林水産物の品質の向上を図ることを旨として、行われなければならない。

5 主要農林水産物の生産確保に当たっては、このために必要な助成の措置について広く国民の理解が得られるよう、適切な情報の公開によりその透明性及び公正性が確保されなければならない。

6 主要農林水産物の生産確保に当たっては、各地域の気候、風土等地域の特性を生かした主要農林水産物の生産が図られなければならない。

 (国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、主要農林水産物の生産確保に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (生産者の協力)
第六条 主要農林水産物の生産者は、その生産活動を行うに当たっては、主要農林水産物の生産者としての責任を自覚し、国及び地方公共団体が実施する主要農林水産物の生産確保に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 (国民の理解)
第七条 国民は、主要農林水産物の生産確保及びその自給率の向上についての理解を深めるよう努めなければならない。

 (法制上の措置等)
第八条 政府は、主要農林水産物の生産確保に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 第二章 主要農林水産物基本計画の作成等

 (主要農林水産物基本計画の作成等)
第九条 政府は、主要農林水産物の生産確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、主要農林水産物の生産確保に関する基本的な計画(以下「主要農林水産物基本計画」という。)を定めなければならない。

2 主要農林水産物基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 主要農林水産物の生産確保に関する施策についての基本的な方針
 二 毎年度における主要農林水産物の品目ごとの自給率の目標
 三 主要農林水産物の生産確保に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
 四 前三号に掲げるもののほか、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 農林水産大臣は、主要農林水産物基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 農林水産大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、主要農林水産物基本計画を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、主要農林水産物基本計画の変更について準用する。

 (主要農林水産物基本計画と国の他の計画との関係)
第十条 主要農林水産物基本計画以外の国の計画は、主要農林水産物の自給率の目標に関しては、主要農林水産物基本計画を基本とするものとする。

 第三章 主要農林水産物の生産確保のための施策

 (計画的な生産の実施)
第十一条 国は、特定農産物(主要農林水産物のうち米、小麦、大豆、牛肉、豚肉その他の政令で定める農産物をいう。以下同じ。)について、国内において、国民に対し安定的な供給を行うために必要な数量(備蓄に必要な数量を含む。)の生産が確保されるよう、生産数量の目標の設定及び当該生産数量の生産者の申請に基づいた割当て並びに当該生産に係る農業所得を確保するための交付金の交付その他の特定農産物の計画的な生産に関し必要な施策を講ずるものとする。

 (生産奨励のための助成)
第十二条 国は、特定農産物以外の主要農林水産物の生産を奨励するため、その生産者に対する助成を行うために必要な施策を講ずるものとする。

2 前項の助成を行うための施策を講ずるに当たっては、複雑な現行の助成制度の見直しを行い、制度の簡素化及び効率化を図るものとする。

 (品種改良の推進等)
第十三条 国は、国内における生産では需要を満たしていない主要農林水産物について、その品質の改善が図られ、又はその生産が可能となるよう、品種改良その他の生産に関する技術の研究開発の推進及びその成果の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

 (生産情報の管理等)
第十四条 国は、主要農林水産物の安全性を確保するため、その生産等に係る情報の正確かつ適切な管理及び伝達に関し必要な施策を講ずるものとする。

 (固有の食文化についての啓発等)
第十五条 国は、我が国固有の食文化の普及が主要農林水産物の自給率を向上させる上で重要な役割を果たすことにかんがみ、我が国固有の食文化に関する啓発及び知識の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

 附 則

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 理 由

食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、必要な数量の主要農林水産物を国内で生産できるようにすることが、国民に対し安全な食料を安定的に供給するために不可欠であるだけでなく、国土及び環境の保全を図る上で重要であることにかんがみ、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、我が国の食料の生産確保を図るため、主要農林水産物の生産確保に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、主要農林水産物の生産確保のための施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。